「Oisix」は単なるECではない フードテックベンチャーとして 業界構造変革に挑む
MISSION
高精度な需給マッチングとサプライチェーン最適化で、120兆円のマーケットを変革する
「食のEC」のパイオニアであるオイシックス・ラ・大地は、今再びテクノロジーの力で世の中に新しい価値をつくろうとしています。主力事業である「Oisix」は食品EC業界(市場規模:4兆円)に留まらず、食品流通業界(市場規模:120兆円)の業界構造変革に挑みます。
「Customer Driven Supply Chain」の構築が鍵
「生鮮食品の鮮度を保ちながら、全国津々浦々のお客様に、お客様が欲しいものをベストなタイミングでお届けする」、これは言葉以上に難易度が高く、実現のためにはさまざまなテクノロジーが必要です。
テクノロジー1:高精度な需給マッチング
「Oisix」はお客様から発注されたタイミングで生産者から調達するものと、需給予測から先に調達して在庫を確保しておくもののハイブリッドで運営をしています。“鮮度を保った状態”でお届けするためには「お客様が何を買おうとするのか」を高精度に予測し、「生産者側の収穫状況」を正確に把握しておく必要があります。
必要なテクノロジー
- 約40万人×52週のお客様購買データなどから算出される需要予測
- 4,000軒の生産者とダイレクトにつながった調達予測
テクノロジー2:物流ネットワークの最適化
生鮮食品は当然ながら1秒ごとに鮮度は落ち、最適な保存状態を保つための温度帯も穀物によって変わります。商品ごとにベストな状態でお客様にお届けするには、最適な物流経路を算出する必要があり、生産者→倉庫→お客様をつなぐ経路の最適化をし続ける必要があります。
必要なテクノロジー
- 最適化された商品の納品形態の決定
- 温度帯を含めた在庫配置の最適化
- お客様への配送経路の最適化
「Customer Driven Supply Chain」が実現できているというのは、お客様の理解(パーソナライゼーション) が機能している状態ということです。さらに、「Oisix」にとってパーソナライゼーションは個人の趣向だけでなく、生産者やサプライチェーンの状況も鑑みる必要性がある。これが私たちの挑戦の難易度の高さでもあり、実現できると「食×農」というこれまでレガシーであった業界を変えるほどのインパクトになりうる理由でもあります。
「Oisix」は単なるEC事業者ではない。国内最大級の食×サブスク物流センターを保有し、独自の配送システムも構築している
「Oisix」は、生産者から直接調達し、お客様に定期宅配として届けるところまで、一貫して自社でおこなうためのアセットをもっています。
全国4,000軒の生産者とダイレクトにつながり生成している調達予測データと約40万人×52週のお客様購買データをもとに、独自のアルゴリズムにより最適な需給マッチングを行っている「売り場」でもあります。
物流センターや配送の仕組みも独自構築しているから、チャレンジングな課題も多い
当社は、国内最大級の食×サブスクモデルを担う物流センターとミールキット製造工場を自社で保有しており、独自の配送の仕組みも構築しています。 対象となる領域が幅広いため、システム化する場合の難易度も高いです。 チャレンジングな課題も多い分、仕事の達成感ややりがいは非常に大きなものになるでしょう。
サブスクリプション×キュレーションだから、ネットスーパーや単なる食品ECとは提供価値が異なる
「Oisix」は、「お客様に何を届けるべきか」を重要と捉え、キュレーションを実施している点で、一般的にいわれるネットスーパーや食品ECとは一線を画すサービスです。
今後も“食のキュレーション”として、「何をお届けするのか」「何を召し上がっていただくのか」「1週間でどんなものを食べていただくのか」など、お客様のニーズを満たすことを第一に考え、パーソナライズやレコメンデーションの強化をおこなうという思想は変わりません。
約40万人の会員数を有する大規模サービスでありながら、1週間で新サービスをリリースするベンチャースピリットも持ち合わせている
「Oisix」は約40万人を超えるユーザー数を誇り、現在も会員数が伸び続けています。
大規模サービスである一方、スピードや新しいことへの挑戦も大事にしており、スモールスタートから開発を行い育てたサービスがいくつもあるのも特徴です。
例えば、コロナ禍による会員急増時期に始めた新サービスでは、いくつもの課題やトラブルを抱えながらも、スピード重視で、企画からテストリリース(一部ユーザへの公開)まで1週間で対応。試行錯誤を並行して繰り返すことで、最終的に6万人超えのサービスまで成長しました。
(現在、このサービスは提供終了しています)
次の成長をつくるため、数十億円を投資した大規模なシステム刷新プロジェクトが進行中
「Oisix」をさらに成長させ、さらには業界変革をおこす。
「Customer Driven Supply Chain」の実現には、さらなるデータの利活用の推進やビジネスの変化に強いシステム基盤を整えるのが必須です。
第一歩目として、2026年度に売上3,000億円を目指すという目標をかかげ、私たちは今まさに大規模な業務改革・システム刷新プロジェクトに取り組んでいます。
これは、20年というサービスの歴史の中でつくられたシステムをクラウド・ネイティブなモダンなシステムへとリプレースするだけでなく、美味しさや健康的な食事へのニーズをデジタル化して捉え、「サービスとしてあるべき姿」を見据えた今後必要となる機能も同時につくっていくプロジェクトです。
SCM(Supply Chain Management)
原材料の調達、生産管理、物流、販売までの一連の業務を管理する
MDM(Master Data Management)
商品マスタのみならず、サプライヤ等のSCM関連データ、販売管理のためのマスタ等、業務に利用すべきマスタ全般を管理する
SLP(Sales Planning)
予算策定、売場別販売計画、販促計画と、EC出荷や店頭売上などの実績データを基にした予実参照を可能とし、PDCAプロセスを確立する
ASM(Accounting System Management)
会計連携の自動化を目指すとともに、債権(売掛)や債務(買掛)を管理する
3DM(Data Driven Decision Management)
情報利活用基盤として、BIツールを用い経営指標やKPI値の自動集計はもとより将来的にはインサイトを導出し、SoE領域のビジネスに活用していく基盤整備をおこなう
バックエンドチーム、フロントエンドチームもモダナイゼーションに注力
バックエンド、フロントエンドでもリフトアンドシフトが完了し、クラウドにおける技術ベネフィットをうけるための本格的なモダナイゼーションを前述の通り進めています。
バックエンド
テックリードとして、プロダクトの拡大に向けて開発を主導いただきます。
- ECサイトの機能改善に関するシステム基盤の構築、要件定義・設計・開発
- アクセスピーク時でも安定稼働させるためのパフォーマンス、スケーラビリティを考慮したアーキテクチャ設計
- 毎週お客様へ届けるための堅牢なシステム構築、コードレビュー、テストの自動化など品質担保
- 開発案件におけるチームリーディングやセルフマネジメントなどチーム開発での計画のコントロール
- 他部門や他のチームとの連携において技術的な提案やサービス向上のための改善提案
フロントエンド
レガシーなフロントエンドをリアーキテクトするプロジェクトを担当。 ページ単位で段階的にモダンなフロントエンドの技術スタックでリプレイスしていくことで、開発体験の向上を目指します。
- 既存アプリケーションの改善
- フロントエンドアーキテクチャの設計
- アプリケーションの新規開発
募集ポジション一覧
技術環境
- 言語
- フロントエンド
- TypeScript, React, Next, Vue.js, WebComponent, Storybook, jest, storyshots, Cypress, OpenAPI, Docker
- バックエンド
- Kotlin, Java, Spring Boot, Doma2, OpenAPI(Swagger)など
- AWS
- API Gateway, Lambda, RDS(Oracle, MySQL), DynamoDB, ElastiCache(Redis), EKS(Kubernetes), CloudFront, S3 など
- ツール
- 監視ツール:Datadog, Sentry
- インシデント管理ツール:PagerDuty
- CIツール:GitHub Actions, Jenkins
- コミュニケーションツール:Slack
エンジニア組織の強化こそ、事業成長につながる
業界構造変革に挑むのは、容易ではありません。だからこそ、ソフトウェアエンジニアリング本部は組織としても成長していきたいと強く思っています。組織として目指す姿、会社に根付く挑戦の文化、一緒に働くメンバーをご紹介します。
全社の組織図とソフトウェアエンジニアリング本部のチーム構成
プロジェクトや企画などは、事業Divisionや商品Divisionなどと連携し横断チームをつくりながら進めていきます。
開発メンバーはサービスごとにセクションがわかれています。
この形にすることで、サービス間の連携や全社横断プロジェクトなども動きやすいように設計しています。
ソフトウェアエンジニアリング本部が目指すのは、情熱をもって、社会にポジティブな還元ができる組織
下記の2つを実現できる組織として、組織としても強くなっていきたいと考えています。
事業と自分の技術を掛け合わせられる人が集まる集団でありたい
社内には本気で食の未来を自分たちの手で創っていこうとするメンバーたちが揃っています。
自分のエンジニアとしてのスキルや経験を磨き、世の中にインパクトを与えるものを自分の手で生み出したい。自分の才能を、ポジティブに社会に還元したい。そんな情熱をもっている人を、私たちは待っています。
エンジニアが中心になって、事業の成長→社会を変化させていきたい
私たちが事業を成長させ、世界の課題を解決するためにソフトウェアの力は必要不可欠です。サプライチェーンの最適化、お客様の健康保持、新しい食品の提供のどれをとっても、テクノロジー力なしには実現することはできません。
つまりソフトウェアエンジニアリング本部は、「Oisix」の成長を加速させていく存在であるということ。ソフトウェアエンジニアリング本部にはさまざまな技術的負債の解消から、食に関連したすべての課題解決の舵を握っていると言っても過言ではありません。
挑戦できるカルチャーを支える行動規範「ORDism」
企業理念「これからの食卓、これからの畑」を実現するため、オイシックス・ラ・大地では7つの行動規範「ORDism(オーディズム)」をかかげています。
1週間でのサービスリリースなどは、関わるメンバー全員が「ORDism(オーディズム)」を体現した結果といえます。
- ベストを尽くすな、Missionを成し遂げろ
- 早いもの勝ち、速いもの価値
- お客さまを裏切れ
- サッカーチームのように
- 当事者意識、当事者行動
- 強さの源泉は成長力
- 前例はない。だからやる
ベストを尽くす努力は大切ではあるが、ミッションの達成を常に見据え、ゴールから逆算して行動することこそ一番重要である。
戦略の精度を高める以上に、スピードに乗って戦略を素早く実行することが急成長するためには必要である。
徹底的にお客さまの声を聞き、お客さまの期待を超え、どうやって半歩先のサービスを提供するかを全身全霊で考える。
ミッションを達成するため、時には自分の持ち場ではない領域の仕事も主体的に行い、チームとして互いにフォローしあっていく。
一人ひとりがミッション達成に強い当事者意識を持ち、各自がチームの主役として行動することが、勝利には欠かせない。
大きな目的に到達するために、自分たちの実力を日々向上させ、成長力という武器を磨き続けることが組織の強さへつながる。
奇をてらう必要はないが、正しいと思える打ち手であれば、常識にとらわれず情熱をもって実行し、新しい道を切り拓いていく。
一緒に働くメンバーたち
優秀なエンジニアが集まり、エンジニアリング組織全体でのケイパビリティの改善にも、大きな変革がおこっています。
長尾 優毅| 本部長/CTO ソフトウェアエンジニアリング本部
ex-EC企業
お客様に最良の購買・消費体験を提供することを目的に、持続可能な事業成長を実現するためのエンジニアリングのグランドデザインを担う。
岡田 ふみ子|副本部長 ソフトウェアエンジニアリング本部
ex-SIer
OisixサービスのECサイト、基幹システムのプロジェクトマネージメントを経て、IT投資計画、エンジニア組織作りに従事。
清水 昭博 Oisixプロダクトエンジニアリング部
ex-SIer、ソフトハウス
主な担当業務はアプリケーション開発PJの推進。現在はSCM領域の刷新PJにてPMを担当。発注量自動計算システムの構築/導入を推進している。
中野 高文|部長 Data Management Office
ex-DataRobot, アドテク
全社員が簡単にデータを活用できるデータ分析基盤の構築・管理と機械学習を活用したビジネス課題解決。 関連記事はこちら
菊池 司|部長 Oisixソフトウェアエンジニアリング部
ex-SIer、SaaS企業
Oisixに関する技術面/開発面の改善活動を推進しています。具体的には、技術負債解消に向けて複数のエンジニアチームと方針を検討し、対応方針を決め、実行していく交通整理や日常的なプロダクト改善における開発の生産性の計測・改善活動といったことを行なっています。
川上 竜太郎|マネージャー Oisixソフトウェアエンジニアリング部 Webエンジニアリング FEモダナイゼーション
ex-Web制作会社、KDDIグループ
OisixECサイトのフロントエンドのリアーキテクトをおこなうチームでリーダーに就いています。 今まで以上に開発体験とサイトパフォーマンスを向上させるために技術選定や実装を行っています。
大薗 政伍|マネージャー Oisixソフトウェアエンジニアリング部 モバイルエンジニアリング
ex-ベンチャー、SIer
iOSアプリ開発を軸に、新規開発・保守運用、アーキテクト、ピープルマネジメント、採用を行っています。
モダナイゼーションの先に広がる「Oisix」、食と農の社会課題をテクノロジーで解決し続ける
今私たちが取り組んでいる大規模なシステム刷新プロジェクトやモダナイゼーションは、業界構造の変革に挑むためのはじめの一歩に過ぎません。業界構造を変革することすら私たちにとっては中間地点で、目指す先は食と農の社会課題をテクノロジーで解決し続けることです。
最後に、私たちの事業が、今後どういったテーマの社会課題につながっていく可能性があるのかをご紹介します。
- テクノロジーを活用して食品ロスの削減すること
- 食品ロスにはすでに取り組んでいますが、「Customer Driven Supply Chain」を実現することでさらに削減していくことが可能です。
- いいものを作っている生産者がしっかりと収益をあげられる世界をつくる
- 高齢化などにより深刻な担い手不足に悩まされる農業ですが、私たちが生産者とお客様をつなぐことで、いいものを作っている生産者が収益をあげられる世界をつくれます。パーソナライズやレコメンデーションの腕の見せ所です。
- お客様のウェルネス創出という新しい価値をつくる
- パーソナライズを進化の先には、ヘルスケアデータと組み合わせて、お客様の健康に必要な「食」「献立」を提案するというウェルネス領域への発展も考えられます。
これらは可能性の一端にすぎません。「食」に関するデータをもっているという強みを活かせば、フードイノベーションやレシピ開発など、フードテックベンチャーとして挑戦できることは無限大です。